IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

建築物の規制措置の概要

1.規制措置の概要

以下の1)から3)が規制措置として設けられています。

1) 適合義務(適合性判定)
  特定建築行為※1を行う建築主は、当該特定建築物をエネルギー消費性能基準に適合させる義務が課されます。
2) 届出
  適合義務対象に該当するものを除く床面積※2が300m2以上の建築物の新築、増改築を行う建築主は、エネルギー消費性能基準に対する適合状況を届出する義務が課されます。
3) 住宅トップランナー制度
  住宅事業建築主(住宅の建築を業として行う建築主)は、新築する一戸建て住宅に対して、住宅トップランナー基準に適合するよう努力義務が課されます。
※1
  • 特定建築物(非住宅部分の床面積※2が2,000m2以上)の新築
  • 特定建築物の増改築(増改築する部分のうち非住宅部分の床面積※2が300m2以上のものに限る)。
  • 増築後に特定建築物となる増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積※2が300㎡以上のものに限る)。
    ただし、平成29年4月施行の際現に存する建築物については、「非住宅に係る増改築部分の床面積の合計」が「増改築後の特定建築物(非住宅部分に限る)に係る延べ面積」の一定割合(1/2)以下の場合(特定増改築)は、適合義務・適合性判定は不要となりますが、届出が必要となります。
※2 外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積

 

2.規制措置の対象建築物

省エネに係る適合義務、届出及び住宅トップランナー制度の対象となる建築物の規模等は、以下の表の通りです。

規制措置 対象用途 建築行為等
適合義務(適合性判定) 非住宅 特定建築行為(特定増改築を除く) 
届出 住宅 床面積が300m2以上の新築、増改築
非住宅 床面積が300m2以上の新築、増改築
(基準適合義務対象を除く)
住宅トップランナー制度 住宅 住宅事業建築主が供給する一戸建て住宅の新築

 

3.適合義務(適合性判定)又は届出の適用除外

適合義務(適合性判定)又は届出の対象となる建築物のうち、一部の建築物については、以下の表の通り当該義務等の適用除外となります。(建築物省エネ法 第18条)

建物用途
自動車車庫、自転車駐車場、畜舎、堆肥舎、公共用歩廊その他これらに類する用途
観覧場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場、神社、寺院その他これらに類する用途(壁を有しないことその他の高い開放性を有するものとして国土交通大臣が定めるものに限る。)
文化財等
①:国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定等された建築物
②:伝統的建造物群保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物
③:重要美術品等として認定された建築物
④:現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(基準適合が困難なものとして所管行政庁が認めたものに限る)
⑤:①、③及び④に掲げる建築物であつたものの原形を再現する建築物(基準適合が困難なものとして所管行政庁が認めたものに限る)
⑥:景観重要建造物として指定された建築物
仮設建築物
①:応急仮設建築物(その建築物の工事を完了した後三月以内であるもの等に限る)
②:工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物
③:仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗等の仮設建築物(許可を受けた建築物に限る)

 

4.規制措置に係る省エネ基準

規制措置に係るエネルギー消費性能基準は、以下の表の通りです。

対象用途 一次エネ基準(BEI)
外皮基準
エネルギー消費性能基準 住宅トップランナー基準
平成28年4月1日以降に
新築された建築物
平成28年4月1日時点で
現に存する建築物
上段:H~31年度
下段:H32年度~
非住宅 一次エネ基準
(BEI)
1.0 1.1
住宅 一次エネ基準
(BEI)
1.0 1.1 0.9
0.85
外皮基準:
住戸単位
(UA,ηAC)
1.0
1.0
※ 表中の数字は「設計一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)」/「基準一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)」(BEI)が表中の値以下になること。

告示(国土交通省告示第265号)で定められた算出方法では一次エネルギー消費量を算出できない特殊な構造又は設備を用いる建築物について、国土交通大臣認定を取得することにより、省エネ基準に適合しているとみなす方法などもあります。

「住宅の規制措置の概要」はこちら

 

戻るボタン