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IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞(大規模建築部門)

コープ共済プラザ

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所在地 東京都渋谷区
構 造 SRC造、一部S造、基礎免震構造
規 模 8,653m2  地上8F/塔屋1F/地下2F
建築主 日本生活協同組合連合会
設計者 (株)日建設計
施工者 (株)フジタ/(株)前川製作所/(株)きんでん

講評

この建物は、2011年の東日本大震災を契機として、Resiliencyを備えた事務所を改めて構え直したいとの施主の強い要望に基づき、「自律安定型」をその理念として計画設計・建設された。都市化の進展した中に建てられる建物は、省エネルギー化が図れたとしても、再生可能エネルギーの活用や、その建物の存在自体が都市緑化を促進することはなかなか難しいものだが、この建物では、それらの点を克服して、都市の中に建つ建築の在り方に一石を投じる提案となっている。

以下、評価された主たる特徴を記す。1)ベジテーションファサード(緑のカーテン)が、オフィスとしてはかなり深めのバルコニー先端部に設けられており、外付け日除けとしての効果が極めて大きい。2)逆梁構造を採用して、躯体の底面をそのまま天井面としており、天井裏空間の代わりに床下空間を設けている。3)躯体スラブに放射冷却・加熱用の配管を埋設して、これが下階の天井放射冷暖房パネルとして働くようになっている。この方式により躯体スラブの熱容量を最大限活かすことができている。放射冷却・加熱面の平均温度は夏も冬も21℃でほぼ一定であり、冷水は14→21℃、温水は37→30℃を実現している。これらの冷温水温度が実現可能になっているのは開口部の日射遮蔽と躯体の断熱性の確保によっていると考えられる。4)空気熱源HPの冷源としての設備容量は全体の80%、吸(脱)着式HPは20%だが、生成された冷水による年間積算除去熱量は、前者が40%に対して後者が60%で、CGSと太陽熱の寄与率が高い。5)空気熱源HPの熱源としての設備容量は全体の70%、CGSと太陽熱が30%であるが、生成された温水による年間積算供給熱量の90%がCGSと太陽熱によっている。すなわち、冷水・温水生成のいずれも、自然のポテンシャル利用率が極めて高い。6)井水・雨水による導入外気の予冷、太陽熱とCGS排熱による導入外気の予熱を行なっており、これらも自然のポテンシャル利用率を高めている。7)早朝時の自然換気による躯体蓄冷が行なえるようになっており、既に効果を上げているが、その効果をさらに向上させる取り組み(天井面からの熱除去ピーク時刻を午後の早めの時間帯とする運転調整)に挑んでおり、自然換気の熱除去効果を向上させつつある。8)Task & Ambient照明では、躯体利用の天井面に電灯照明用のレールを配置して、天井面を照らす間接照明を全般照明として採用している。このことが、通路の足元 所要照度100Lx、机上面照度500~750Lxを実現し、全体として穏やかな光環境を形成している。この考え方は、天井面による放射冷却・加熱の考え方と整合性が取れていて良い。

 

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