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IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞(大規模建築部門)

市立吹田サッカースタジアム

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所在地 大阪府吹田市
構 造 RC造、S造
規 模 63,909m2  地上6F
建築主 スタジアム建設募金団体
設計者 (株)竹中工務店 大阪本店
施工者 (株)竹中工務店 大阪本店

講評

本建物は、Jリーグ・ガンバ大阪の本拠地となる国際基準のサッカー専用競技場である。また、寄付金と助成金で公共施設を建設する日本初のビジネスモデルでもある。このような建物の性格からイニシャルコストを抑え同時に維持管理コストもできるだけ小さくすることを目標に建てられた

まず、建築コストを抑え、維持管理コストを低減させるため、観客席を積層させる断面構成によって平面サイズが最も小さくなるよう計画され大規模建築のコンパクト化を図っている。このような計画より2次的効果として、高い観客席からピッチを一望でき劇場のような臨場感でサッカー観戦できるという副産物も得ている。 屋根の構造体である鉄骨量を低減するため、屋根免震構造と3Dトラスを採用することにより、地震時の観客の安全性を確保するとともに鉄骨量を約40%削減することに成功している。

将来の維持管理コストを低減するため、仕上げ材を極力減らすことや長寿命材料の採用を徹底している。具体的には、躯体コンクリートや金属部の溶融亜鉛メッキなど素材そのものを見せるミニマムデザインとしている。塗装する部位を極力抑えることにより、将来の塗装塗り替え等の修繕工事の発生を極力抑えることができる。 天然芝の健全な生育のため、芝の光合成促進や温湿度調整のため観客席の下に全方位スリットを設けフィードに風が流れる環境を作り出している。自然の力を生かす良いアイデアと考えられる。

設備的には、大面積の屋根を利用した太陽光パネル発電、クラブハウスの給湯設備として太陽熱集熱器の採用、照明のオールLED化、芝への散水やトイレの洗浄水に雨水を利用する計画となっている。これらもランニングコストの低減に寄与していると考えられる。 コンパクトに施設を計画することが周辺環境に対する影響を低減し使用するエネルギーを抑える建築となった例である。

本建物は高度な設備技術によりアクティブに省エネルギー化実現し環境負荷低減する手法ではなく、建築計画主体で環境負荷低減を実現し将来の修繕工事を抑制する、サステナブル建築の一形態といえる。

 

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