IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

理事長賞第6回サステナブル建築賞(小規模建築部門)

「NTTファシリティーズ新大橋ビル」

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所在地 東京都江東区
構 造 S造(一部RC造)
規 模 4,342m2 地上4F/塔屋1F/地下1F
建築主 (株)NTTファシリティーズ
設計者 (株)NTTファシリティーズ
施工者 (株)竹中工務店・共立建設(株) JV、日比谷総合設備(株)、(株)関電工

講評

NTTファシリティーズの研究開発の20年さらにはその先の未来を見据えた、事業を支える「実証実験型オフィス」で新たな技術やビジネスの創出など具現化されている。
東西に長く配置し、周辺環境(住宅・倉庫)を配慮して南北面は最小の開口、東西面は、隅田川に面する立地特性を活かして眺望・採光・通風のため最大限の開口を確保し、自然環境を取り入れる配慮がされている。
オフィス環境の整備は、建物全体を明確に「コミュニケーション」「研究」「リフレッシュ」の3つのゾーンに区分するなど、知的生産性を高めるための設計である。さらに、BIS(建物情報連携システム)によってスマートフォンやPCによる空調・照明などの制御やBEACONによる位置情報やビル内システムの情報連携により、高度でストレスフリーなセキュリティを実現すると共に、効率的なエネルギー管理を行い、最適な環境を実現している。
温度、湿度、気流、放射の4要素空調(市松模様天井に設置された膜放射空調システム、タスク&アンビエント空調等)により、省エネルギー性と快適性を両立する空調システムをワークプレイスに構築し、検証を行っている。また、地下水位が高いという敷地特性を活かした地中冷熱や外気冷熱の冷房への利用、サーバー排熱の暖房利用など未利用エネルギーの活用により省エネルギーを図っている。
太陽光パネル(12kw)にて発電電力を複合型再生可能エネルギーシステムと連携して、直流給電オフィスに供給、直流給電オフィスは、災害時でも難燃性リチィウムイオン電池に蓄えられた電力にて48時間使用できる。
建物の設計・施工・運営に必要なデータを3次元モデルと建物データベースを組み合わせたBIMデータにより、建物・設備機器情報を一元管理し、改修・故障対応・運営などに活用することでライフサイクルコスト全体に関わるコスト低減のマネジメントを可能としている。
間伐材を利用した木材デスクカウンターなど最新技術以外にも省エネの取組みが行われている。
研究開発・実証実験型オフィスで施工から運営に至る一連の省エネの取組みによって、LEED-NCゴールド取得している。省エネ性能に優れた次世代オフィス等々に関わる最新技術が応用され、最新技術ショールームと言うべき実証実験型オフィスとして高く評価されるサステナブル建築である。

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