IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞第1回SDGs建築賞(大規模建築部門)

「ミライon(長崎県立長崎図書館及び大村市立図書館、大村市歴史資料館)」

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所在地 長崎県大村市
構 造 S造、一部RC造
規 模 延床面積 13,506.76m2 地上6階
建築主 長崎県/大村市
設計者 ㈱佐藤総合計画/インターメディア一級建築士事務所/㈱ランドスケープ・プラス
施工者 戸田・上滝・堀内JV/一電設・関電設・共栄電気エンジニアリングJV/研進・フジエア・九設JV/旭管・大東JV

講評

 ミライonは長崎県・大村市一体型図書館および大村市歴史資料館の複合施設である。多良岳と大村湾に挟まれた扇状地に建ち、その敷地形状に寄り沿う湾型形状と大屋根が非常に印象的な建物である。近年、図書館には地域の情報ハブとして、地域振興活動の拠点の役割が期待されている。
  本施設は、図書館施設、郷土資料センター、多目的ホール、こどもしつ、カフェなどを有し、木質の大屋根に囲まれた一体的な心地よい空間で地域住民の生涯学習活動を活性化している。以下に評価された主たる特徴を記す。
1)10,000m2以上の大規模図書館において、ZEB ready(BEI=0.38)を達成している。大空間である閲覧室(ブックカダン)の天井には照明器具がひとつもなく、スーパーアンビエント、ヒューマンタスクを徹底することで、照明エネルギー消費量を大幅に低減している。
2)空調も高断熱の外皮(BPI=0.58)と併せ、きめ細やかなゾーニング、オンデマンド制御やタスク空調の採用などにより大空間空調の難しさに対処し、省エネルギーを実現している。
3)ひとつ屋根により雨水集水し、外構で涵養させ、大村湾につなぐという扇状地の機能の中に建物を溶け込ませ、修景を形成している。
4)地場産材を心材と辺材に分け、余すことなく使い切っている。辺材はブックカダンの天井材に、心材は家具材に全面的に採用され、開放的な大空間において利用者を優しく包み込む雰囲気を形成している。
5)CASBEE-建築ではBEE=4.0と省エネルギー性能に加え、建築物に関連する環境性能が圧倒的に高く、SDGsへの貢献度(建築環境SDGsチェックリスト)も高い。
 公的図書館が担う役割については、前段でも触れたが、その活動を活性化させる上で、建築の魅力は欠かせない。本施設は、地場の地形、文化、産業に寄り添いつつ、建築の強さで市民が誇れる新しい居場所を提供した優れた建築といえる。

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