IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

優秀賞第2回サステナブル住宅賞

「T邸」

建築主個人
設計者アトリエ・ガィィ
施工者(有)参建企画
建設地沖縄県与那原町
構造混構造
階数2階建
延床面積147m2

講評

 T邸は、沖縄県与那原町の敷地面積335m2延べ床面積147m2規模の住宅である。建て主夫妻とその子供2名及び高齢者1名の3世代5人家族が居住する。敷地は町中であるがガジュマルやデイゴの木が茂る町の広場に隣接し、ハイビスカスの生垣で町並みの緑の連続性が考えられたものとなっている。住宅はRC造一部木造で、意匠的には沖縄の伝統的な木造住宅とし、木造の弱点である床下の湿気対策をコンクリートのベタ基礎と高床式のRC造として、2階部分を在来の軸組み工法の木造としている。屋根も琉球本瓦葺きとして町の瓦産業育成に考慮したヴァナキュラーな工法を採用している。隣接する広場が水を祭ること、古井戸があることを考慮して、水の有効利用にこだわり、井水、雨水利用を積極的に行っている。沖縄は亜熱帯海洋性の気候であることから、冷房や暖房など設備機器に余り頼らず、暑気対策としては日射遮蔽や通風の積極的利用など沖縄のヴァナキュラーな建築的工夫を活用している。暖房は囲炉裏(木炭)を利用する。ヴァナキュラーな建築様式に近代的なRC造、全電化設備を上手に配して、サステナブル建築の一つの方向を示すものとなっている。

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