IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

板硝子協会会長賞第2回サステナブル住宅賞

「K邸」

建築主個人
設計者(株)ウンノハウス商品開発研究所
施工者(株)ウンノハウス
建設地山形県山形市
構造木造
階数2階建
延床面積142m2

講評

 雪の多い山形市に建てられた木造2階建て。地場産の木材と漆喰を多用しているのも特徴的。変形の敷地形状を生かして、建物を雁行形に配置し、南側に大きな開口部を集中させた。冬の日射に恵まれた地域ではないが、長い暖房期間を通じて太陽の恵みを楽しむことができる。また、夏の日射遮蔽も効率よく行われ、南北の卓越風に対応した通風経路も確保されている。外皮には十分な断熱を施し、通気層を設けている。1階床は外断熱されたコンクリートスラブの上に組まれた木造床。床下空間は室内空間に開放され、熱的には部屋の一部とされている。そのため、土間床の熱容量を活用した給気のプレヒート、プレクールが可能となり、加えて、夜間電力を使用する蓄熱型電気放熱器が床下空間に設置することにより、効率のよい床暖房効果も得られている。吹き抜けを介して室内空間全体が暖められ、フレキシブルな空間構成とあいまって温度むらは小さい。夏は早朝の換気が励行され、冷房を不要とする涼しさが確保されている。新築されたばかりで冬の体験はこれから。実測を続けて、ライフスタイルにあった効率のよい暖房モードを発見して欲しいもの。

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